農業分野のドローンいろいろと解説~その2~

前回に引き続き、今回は「農業分野のドローンいろいろその2」をお送ります。
今回の農薬散布ドローンについて解説していきます。


農業をする上では農薬の散布作業は非常に重労働かつ時間のかかる作業です。これまでは人がタンクを担いで人力で散布作業をしていたと思いますが、これからはドローンがその役割を担ってくれる時代が到来しました。ドローンを使えば、これまでの人力の数十倍のスピードで散布が可能になります。また農薬散布用ドローンも年々進化して、遥かに効率的に作業ができます。これからはドローンの自動飛行もできることから農薬散布だけに限らず、粒剤、種子の散布などドローンで実現できる幅が広がっています。農業をする方の負担軽減にはドローンが必要不可欠になることと思います。

農薬散布をドローンで行う際に必要な資格

ドローンを利用して田畑への農薬散布を行う場合は航空法で定める「物件投下」と「危険物輸送」にあたるため国土交通省へ事前申請をして承認を得る必要があります。

その他必要な作業として下記項目があります。

  • 農林水産航空協会(農水協)から、技能認定を受ける
  • 農林水産航空協会(農水協)に、空中散布用の機体を登録する
  • 農林水産航空協会(農水協)の都道府県協議会などに、「事業計画書」提出する

【参照】
» 空中散布等における無人航空機利用技術指導指針
» 農水協公式ページ

農薬散布用ドローンの機体紹介

AGRAS MG-1 (DJI)

AGRAS MG-1』は約10リットルの農薬や肥料を搭載し、最高時速約20kmでの散布が可能です。このため1フライトで最大1ヘクタールという広い面積に効率的に散布が可能です。またメーカーのDJIによれば、人力で作業する場合に比べて4060倍の速度で散布が完了できるそうです。


DJI AGRASMG-1」の概要とスペック

  • メーカー名:DJI
  • 製品名:AGRASMG-1
  • 値段:180万円前後
  • タンク容量:10L
  • 離陸重量:23.5kg
  • 最大飛行可能時間:1015分程度
  • サイズ:1471mm x 1471mm x 482mm (アームを広げた状態、プロペラなし)
    780mm x 780mm x 482mm (アームを折畳んだ状態)
  • 対角長:1,520 mm
  • 最大散布面積:1ha
  • 散布速度:時速20km
  • 自動飛行:対応
  • URLhttps://www.dji.com/jp/mg-1s
  • 連携アプリケーション等:農薬散布ソリューションパッケージ、農業管理クラウドサービス

後継機としてAGRAS MG-1S ADVANCEDも発売されています。

AC1500 (エンルート社)

エンルート社のAC1500は、大型でパワプルなニューモーターと徹底的に性能を追求した高性能プロペラの組み合わせて、ペイロードを増やし、高性能で大容量バッテリーを搭載することを実現。それにより広範囲での効率の良い散布を実現しました。機体は防滴仕様のため、突然の雨にも心配不要。


enRoute AC1500の概要とスペック

  • メーカー名:enRoute
  • 製品名:AC1500
  • 値段:販売店による。220250万円。
  • タンク容量:9L
  • 離陸重量:24.9kg
  • 最大飛行可能時間:1520分程度
  • サイズ:ローター径 665mm、軸間 1440mm、高さ 703mm
  • 対角長:1440mm
  • 最大散布面積:1ha10分間)
  • 散布速度:時速15km
  • 自動飛行:無し
  • URLhttps://enroute.co.jp/products/ac1500-new/
  • 連携アプリケーション等:送信機 FUTABATX2

X-F1(スカイマティクス社)

1haの農薬散布が約8分で終了するスピードが最大の特徴の機体です。また防水仕様のため、散布後に水洗いして農薬を洗い流すことができます。メンテンス性もよく容易できることが特徴です。専用クラウドソフト「はかせ」はフライトプランを自動作成するだけではなく、散布実績を記録管理して手間のかかる実績報告書作成の補助などにも利用できます。


スカイマティクス X-F1の概要とスペック

  • メーカー名:スカイマティクス
  • 製品名:X-F1(商品名称「はかせ」)
  • 値段:320万円
  • タンク容量:10L
  • 離陸重量:24.0kg
  • 最大飛行可能時間:ペイロード無 最大25
  • サイズ:全高:660mm:全幅:1957mm:全長:1957mm
  • 対角長:ローター軸間 1534mm
  • 最大散布面積:1.25ha
  • 散布速度:時速20km
  • 自動飛行:対応
  • URLhttp://skymatix.co.jp/solution/drone_xf1.html
  • 連携アプリケーション等:はかせ(専用クラウド)

飛助DX(マゼックス社)

飛助DXの特徴は液体農薬、肥料および除草剤、粒剤薬剤など10リットル積載可能の仕様です。効率性だけではなく、産業ヘリコプターにも匹敵するくらいの効果的な散布性能を実現。最大重量24kmと軽量な機体で無駄なくダウンウォッシュができるように散布装置の切替装置を開発して風に流されにくく、作物の根本まで薬剤をかき混ぜて散布することができる。


飛助DXの概要とスペック

FLIGHTS-AG (FLIGHTS社)

機体がコンパクトに設計されていて、軽トラックはもちろん軽自動車にも載せられる。従来の防除作業に比べて、準備や片付けの所要時間が大幅を削減。コンパクト設計のため小回りの利く特徴を活かして中間山部でも散布も可能。機体は本当に必要な機能の絞り込みや徹底したコスト削減により機体価格の低下を実現しました。購入後のアフターフォローはお客さまのニーズの合わせて選べるサポートプランがある。


FLIGHTS-AGの概要とスペック

  • メーカー名:FLIGHTS
  • 製品名:FLIGHTS-AG
  • 値段:82万円(税抜)
  • タンク容量:10L
  • 離陸重量:24.8kg
  • 最大飛行可能時間:22分程度(散布時1015分程度)
  • 折りたたみサイズ:全長:570mm ×全幅:570mm ×全高:595mm
  • 対角長:1530mm(対角モータベース)
  • 最大散布面積:1ha
  • 自動飛行:未対応
  • URLhttps://flights-ag.com/

これから労働人口が減る中で農業従事者も人材確保および高齢化に対応する必要が急務になってきています。農薬散布は人力でしていた作業をドローンを利用して行なうため劇的な効率化とスピードアップが期待できます。国をあげて目標を設定し、今後はさらなる発展が見込まれる分野です。そのためには安全かつ効率的な作業を実現できるように取り組む必要があります。農薬散布ヘリコプターでは狭い圃場にはドローンで置き換えることができるので、中山間地域などにも対応できるのがドローンの強みでもあります。

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